
商品説明
Title
「待つ」
制作年度:2026
サイズ:1000×803mm
素材:キャンバス
Artist ’s Note
五島の圧倒的な自然を前にしたとき、はじめに感じたのは、人間という存在の小ささや弱さでした。しかし鬼岳の頂上から山や海を見つめるなかで、次第に「自然に包み込まれながら、私たちは共に生きている」という感覚へと変わっていったといいます。
その時間は、まるで大きなソファの上でうたた寝をしているような、深い安堵に満ちたもの。山や道中で目にした自然の風景と、部屋のなかで静かに休む日常の景色とを重ね合わせるように描いています。
画面左側に灯る小さな光は、福江でたびたび目にした、玄武岩に囲まれたお地蔵様をモチーフにしたもの。富江の人々の暮らしのなかに息づく祈りの存在を、小さな灯りとして画面のなかに残しています。
Curator’s Note
本展では、アーティスト・土屋 未久が五島列島・福江島に滞在し、島の風土や歴史、人々の暮らしに触れるなかで制作した作品を中心に展示いたします。
人や植物、動物、鉱物、道具など、さまざまなモチーフは独自のデフォルメによって再構成され、現実と想像の境界を行き来するような風景を描き出します。その画面には、目には見えない記憶や感覚、言葉にならない存在が静かに息づいています。
五島という土地で積み重ねられてきた祈りや営みに向き合いながら生まれた作品は、私たちが日々の暮らしのなかで無意識に支えとしているものをあらためて見つめ直すきっかけを与えてくれます。それぞれの作品との対話を通して、ご自身の内側にある風景に思いを巡らせていただければ幸いです。
About Artist

土屋未久
目には見えない、存在しないものたちを絵を介して浮かび上がらせ、誰かにとっての〈拠り所〉(よるべ)をつくろうと試みる。
五島で受け継がれてきた文化や慣習、信仰に触れる中で、自身も絵を描くことをよるべにしてきたと気付く。その営みは私にとって、信仰ともいえるかもしれない。
過酷な歴史のなかでも祈りを受け継いできた人々や、圧倒的な自然のなかで感じた人間の小ささを通して、人は何を祈り、なにをよるべとして生きているのか考えた。
私たちのよるべを静かに浮かべてみたい。
略歴
1991 愛知県生まれ
2015 京都精華大学芸術学部 メディア造形学科版画コース卒業
2013 HKU Universuty of the Arts Utrecht(オランダ)交換留学
