
商品説明
Title
「よるべをうかべる」
制作年度:2026
サイズ:380×455mm
素材:紙、パネルに水張り
Artist ’s Note
富江の丸畑から着想を得て、リビングに敷かれたカーペットに、どこか丸畑を思わせるようなかたちを重ねています。画面は室内でありながら、そのなかでは人物が畑を耕しており、室内と屋外という二つの世界がひと続きになるような風景が描かれています。
窓の外には、五島では庭先に枇杷の木が生えていることが多いと聞いたことから、枇杷の木を描いています。そこから黄色い実が三つ、室内へと転がり込むことで、外の自然が暮らしのなかへ入り込んでくるようなイメージがつくられています。
画面左端に描かれた小さな動物は、五島の風景のなかで出会う五島牛をどこか連想させる存在として描かれています。畑を耕す営みや、その土地で育まれる自然や生き物を通して、暮らしのなかにある祈りのようなものが重ねられています。
Curator’s Note
本展では、アーティスト・土屋 未久が五島列島・福江島に滞在し、島の風土や歴史、人々の暮らしに触れるなかで制作した作品を中心に展示いたします。
人や植物、動物、鉱物、道具など、さまざまなモチーフは独自のデフォルメによって再構成され、現実と想像の境界を行き来するような風景を描き出します。その画面には、目には見えない記憶や感覚、言葉にならない存在が静かに息づいています。
五島という土地で積み重ねられてきた祈りや営みに向き合いながら生まれた作品は、私たちが日々の暮らしのなかで無意識に支えとしているものをあらためて見つめ直すきっかけを与えてくれます。それぞれの作品との対話を通して、ご自身の内側にある風景に思いを巡らせていただければ幸いです。
About Artist

土屋未久
目には見えない、存在しないものたちを絵を介して浮かび上がらせ、誰かにとっての〈拠り所〉(よるべ)をつくろうと試みる。
五島で受け継がれてきた文化や慣習、信仰に触れる中で、自身も絵を描くことをよるべにしてきたと気付く。その営みは私にとって、信仰ともいえるかもしれない。
過酷な歴史のなかでも祈りを受け継いできた人々や、圧倒的な自然のなかで感じた人間の小ささを通して、人は何を祈り、なにをよるべとして生きているのか考えた。
私たちのよるべを静かに浮かべてみたい。
略歴
1991 愛知県生まれ
2015 京都精華大学芸術学部 メディア造形学科版画コース卒業
2013 HKU Universuty of the Arts Utrecht(オランダ)交換留学
